葉酸とクロミッドは併用可能?
なかなか赤ちゃんができずに悩んでいる人もいますよね。
医学的には、避妊をせずに子作りをしているにも関わらず、2年経っても妊娠しない場合を不妊症と呼んでいます。
晩婚化に伴い赤ちゃんを望む年齢そのものが高くなったことから、ここ数年で「不妊」で悩む人は一気に上昇したといいます。
これは、35歳以上の、いわゆる「高齢出産」に該当する人ばかりではありません。
適齢期に該当する20代にも多くなっているのです。
不妊の原因ははっきりとは分からないことも多く、立ち往生してしまうことも少なくありません。
不妊治療の進め方は、産婦人科の方針や患者の症状などによって様々ですが、「クロミッド」というお薬を処方されることは多いです。
この、クロミッドとはどんなお薬なのでしょうか。
また、妊活中は赤ちゃんの先天性の障害リスクを低下するために「葉酸サプリメント」を飲んでいるという人もいますよね。
クロミッドと葉酸サプリメントは併用しても問題ないのでしょうか。
これらの疑問を、徹底解明していきます。
クロミッドは排卵誘発剤
クロミッドというお薬は、一言でいうなら排卵誘発剤です。
生理周期に服用することによって、「卵胞刺激ホルモン」や「黄体刺激ホルモン」の分泌を良くすることができます。
卵胞刺激ホルモンや黄体刺激ホルモンは、卵子の成熟・排卵を行わせるために必要な「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン)」の分泌を促すためのものです。
クロミッドによって女性ホルモンの分泌がよくなり、質の高い排卵が行えるようになる、ということです。
クロミッドは排卵が正常に行われていない、いわゆる「無排卵」の人に処方されますが、正常に排卵している人に処方されることもあります。
排卵はあるけれども、卵子の質が悪い(成熟していない)ために妊娠に至らないような人がそうです。
クロミッドは不妊治療の1つとして処方されます。
処方してもらうためには、産婦人科で不妊の相談をする必要があるでしょう。
クロミッドと葉酸サプリメントの併用は?
葉酸は、赤ちゃんの正常な細胞分裂を促すことなどから、妊活中から飲むことが望ましいとされています。
そのため、「赤ちゃんがほしいな」と思ったときから葉酸サプリメントを飲んでいるという人もいますよね。
結論から言いますと、クロミッドと葉酸サプリメントの併用は何の問題もありません。
むしろ嬉しい相乗効果が得られる飲み合わせなんですよ。
葉酸は「細胞分裂を促進する」「赤ちゃんの先天性の障害リスクを減らす」ことなどが知られていますが、これは「妊娠してから」の話です。
妊娠に気づいてからではすでに遅いため、妊活中から摂りましょうというだけの話で、これらの働きはすべて「妊娠成立後」のものですよね。
しかし、葉酸には「妊娠をサポート」する働きもあります。
その1つが、着床をサポートするというもの。
葉酸は子宮内膜を厚くして、受精卵が着床しやすい環境作りに貢献しています。
着床して、はじめて妊娠成立となるわけです。
クロミッドで質の高い排卵をし、葉酸で着床しやすくする、というダブル効果が得られるのです。
また、オランダの医療チームによる研究では、葉酸は「卵胞の発育を良くする」効果があることが分かっています。
卵胞というのは卵子が入っているところで、卵胞が育たなければ卵子も育つことはありません。
未熟なまま排卵されても妊娠することはできませんから、「卵胞の発育」というのは妊娠するためには欠かせないことだと言えるでしょう。
卵胞が成熟すればホルモンの分泌も良くなりますから、まさに一石二鳥ですね。
葉酸の働きは、これだけではありません。
葉酸は、ビタミンB12とともに「造血ビタミン」と呼ばれています。
血液を増やす作用があるのです。
活性酵素を除去し、血流をよくすることができますから、酸素や栄養を子宮や卵巣などの臓器にも十分に届けることができるようになる、というわけです。
酸素や栄養を十分に受け取った子宮や卵巣は、それぞれ本来の働きがスムーズに行えるようになり、排卵に関わるホルモンの分泌もスムーズになっていくでしょう。
このような働きから、クロミッドと葉酸サプリメントを同時に摂ることで、より妊娠力を高めることができると言われています。
クロミッド服用時の葉酸サプリメントの注意点
クロミッドを服用しているとき、どんな葉酸サプリメントでも良い効果が得られるというわけではありません。
ここで注意してほしいのは、「プラセンタ」という成分です。
アンチエイジングなんかでよく使われているプラセンタには、卵子を成熟させる効果や子宮内膜を強く厚くする働きなどがあります。
これだけ聞くと「妊娠力を上げるためにはいいんじゃない?」と思いますよね。
しかし、クロミッドと併用すると子宮に負担をかけてしまうことがあるのです。
子宮に負担がかかれば、当然妊娠力は低下します。
これでは意味がありませんよね。
クロミッドを服用しているときは、プラセンタを摂ることはNGです。
妊活中の葉酸サプリメントの中には、先ほど紹介したようなプラセンタの効果を狙って、プラセンタが配合されているものもあります。
プラセンタだけなら妊活にもおすすめなのですが、クロミッド服用中は避けておいたほうが無難です。
ですから、クロミッド服用中に飲む葉酸サプリメントは、プラセンタの含まれていないものを選ぶようにしてください。
これだけ守れば、クロミッドと葉酸サプリメントはむしろ相性抜群なので、ぜひ同時摂取をおすすめします。