葉酸は、ホウレン草の葉から見つかった成分で、ビタミンB群の一種です。
ビタミンと聞くとからだの調子を整えるなど、どこか補助的なイメージがあると思います。
しかし、葉酸は健康に欠かせない、多くの役割のあるビタミンなんですよ。
その役割の1つが、「妊娠中の胎児への影響」です。
葉酸は細胞の柱となる核酸を合成し、正常な細胞分裂を促す働きがあります。
核酸がなければ細胞は成り立ちませんから、葉酸は私たちが生きるためには欠かせないものだといえます。
これは赤ちゃんに対しても同じです。
赤ちゃんは、胎盤を通してお母さんから栄養をもらいます。
葉酸も、お母さんから送られてきています。
赤ちゃんが正常な細胞分裂を繰り返して健康に育つためには葉酸が必要であり、その葉酸はお母さんが摂らなければならないのです。
葉酸が足りないと奇形や神経閉鎖障害などのリスクが高まることが分かっていますから、リスクを減らすためにも妊娠中に葉酸はしっかりと摂らなければなりません。
葉酸を含むお菓子
葉酸はビタミンなので、野菜や果物、レバーなどに含まれています。
バランスの良い食事をしていれば、通常葉酸が足りなくなることはありません。
しかし、妊娠中の赤ちゃんへのリスクを減らすためには、食事+400μgのモノグルタミン酸型葉酸が必要だと言われています。
モノグルタミン酸型葉酸とは、体内で吸収されやすいように加工された合成葉酸のことです。
石油などの化学物質から合成された葉酸は過剰摂取すると危険ですが、食品由来の合成葉酸ならそのようなリスクもありません。
食品に含まれる天然の葉酸、ポリグルタミン酸型葉酸は吸収率も低く、調理の過程でも大半が失われます。
1日に必要な量くらいはなんとか補えても、妊娠中に必要な量まで摂るのはかなり難しいのです。
そのため、吸収率の高いモノグルタミン酸型葉酸で確実に葉酸を補いましょうと言われているんですね。
葉酸を補うものと聞くと、みなさん「サプリメント」を思い浮かべると思います。
最近では葉酸サプリメントは多くの種類が販売されており、かなり身近なものになってきたように感じますね。
もちろんサプリメントはいいのですが、「飲み込むのが苦手」「つわりで食事が摂れないときにサプリメントを飲むと胃が痛くなる」などといった悩みを抱えている人もいらっしゃいます。
そこで紹介するのが、葉酸を含むお菓子です。
キャンディーやタブレットが有名ですが、ここでは「葉酸クッキー」を紹介したいと思います。
葉酸クッキーのメリット!手軽に葉酸が摂れる
葉酸クッキーとは、文字通り葉酸を補うことのできるクッキーです。
正確に言うなら、葉酸を添加したクッキーですね。
いくつかのメーカーから販売されていますが、「ローズマダム葉酸クッキー」や「リケン葉酸+鉄クッキー」が有名ですね。
ローズマダムの葉酸クッキーはオートミールを使用しているので、一般的なクッキーと比べて脂質や糖質が少なく、かなりヘルシーです。
2枚で440μgの葉酸を摂ることができます。
一方リケンの葉酸+鉄クッキーは、一口サイズの食べやすい大きさになっています。
2個で葉酸480μg、鉄分7.5mgを摂ることができます。
豆乳や小麦胚芽を使用しているので、こちらもふつうのクッキーよりかなりカロリーが抑えられています。
葉酸と鉄は血液を作るためにも欠かせなく、妊娠中はどちらも不足しがちです。
クッキーから簡単に補えるのはかなり魅力的なポイントでしょう。
つわりの時期は、普段とは味覚や嗅覚がかなり変わります。
よく、「ごはんの炊けるニオイがダメ」「すっぱいものが食べたい」などと言われたりしますね。
これには個人差があるのでなんとも言えませんが、「食欲はないけど甘いものなら食べられそう」ということもあります。
つわりの時期は、葉酸が欠かせない時期でもあります。
食事が摂れず、サプリメントを飲み込むこともままならないとき、葉酸クッキーを食べれば乗り切ることができるでしょう。
食べられるものが偏る時期であるからこそ、葉酸クッキーを1つストックしておくと重宝するのではないでしょうか。
また、葉酸クッキーの魅力は「手軽に葉酸や鉄分が摂れる」という点にあります。
普段から貧血気味の人はもちろん、妊娠を計画している人など、葉酸と鉄分が必要な人というのは妊娠中の人だけではありません。
おやつとして小腹を満たしながら葉酸も摂れるなんて素晴らしい!と思いませんか?
サプリメントでは小腹を満たすことはできませんが、クッキーならおやつの代わりにもなるのです。
葉酸クッキーのデメリット!添加物が多い
手軽でおいしく葉酸が摂れる葉酸クッキーですが、デメリットもあります。
1つめは添加物が多いということ。
おいしさを追求する以上、サプリメントには必要のない添加物が使われることになります。
食品に使われる添加物は危険性のないものばかりですが、中には「危険性はないものの安全性も確立していない」添加物もあります。
妊娠中にあえて摂るべきではないものもありますから、特に妊婦の場合は「出産まで葉酸クッキーで必要な葉酸をすべて補う」という考えは改めたほうがいいかもしれません。
そしと2つめは、葉酸の過剰摂取です。
葉酸クッキーに添加されている葉酸は、当然体内での吸収率の高いモノグルタミン酸型葉酸です。
こちらで紹介した葉酸クッキーは、どちらも2枚で妊娠中に必要な1日分の葉酸を補えるようになっています。
おいしいからとつい食べ過ぎてしまうと、葉酸の過剰摂取になってしまいます。
食品に含まれるポリグルタミン酸型葉酸なら吸収率も低いのでそこまで心配はないのですが、モノグルタミン酸型葉酸は違います。
しっかりと葉酸を吸収させるように作られていますから、クッキーの食べ過ぎは厳禁です。
葉酸の過剰摂取は、妊娠中なら赤ちゃんの喘息やアトピーのリスクを高めると言われています。
手軽でおいしく便利な葉酸クッキーには、メリットもあればデメリットもあることがお分かり頂けたと思います。
もちろん1日分の量を守れば、悪いものではありません。
どんな目的で葉酸を補いたいのか、自分の目的によってクッキーを食べるようにしてみてくださいね。