豆苗(とうみょう)という野菜を知っていますか?今年は相次ぐ台風上陸や異常気候によって、野菜の価格が上昇しています。野菜の価格高騰は、私たちの家計に大きな打撃を与えていることでしょう。
そんな中、注目されている野菜が「豆苗」です。豆苗は1袋100円ほどと価格も安定しており、様々な料理に使うことができるのです。白菜やカイワレ、水菜などの野菜の代わりとしても使えるんですよ。
そんな豆苗が注目されているのは、値段の安さと使いやすさだけが理由なのではありません。実は豆苗は、多くの栄養素を含む、栄養満点な野菜でもあるのです!
今まであまり知られていなかった豆苗ですが、ここでは豆苗の持つ様々な栄養について徹底的に調べていきたいと思います。
豆苗はとにかくビタミンが豊富な野菜
なんといっても豆苗は、ビタミン類を豊富に含むことで知られています。
豆苗50gで、大人が1日の食事で必要な栄養素のおよそ3分の1の量を摂ることができるのです。
- ビタミンA
- ビタミンC
- 葉酸
- ビタミンK
毎食メニューに豆苗を使えば、それだけでこれらのビタミンは補えてしまうということでもあります。
野菜不足が懸念されている現代の食卓において、たった1つの野菜でこれだけの栄養素が摂れるというのはかなり貴重だと言えるでしょう。もちろんビタミンだけでなく、タンパク質やミネラル、食物繊維まで含んでいるから驚きです。
ところで、「豆苗」とはどんな野菜なのかみなさんはご存じでしょうか。カイワレのようなひょろっとした野菜だというイメージはつかめるかもしれませんが、果たして「豆苗が何なのか」は知っていますか?
豆苗は、エンドウ豆の若い葉と茎のことです。
エンドウ豆はサヤエンドウやグリーンピースなどになります。そんなエンドウ豆の若い葉や茎が、豆苗というわけです。豆の葉っぱなので、タンパク質が含まれているところも納得ですよね。
豆苗はほうれん草などと同じ緑黄色野菜ですが、先ほどご紹介したビタミン類は、ほうれん草よりも圧倒的に豆苗のほうが含有物が多いのです。
豆苗の優れた効果とは?
これだけ豊富に栄養を含んでいる豆苗ですから、当然私たちの体には何かしらの「良い効果」が得られるはずです。豆苗に含まれる栄養素が、私たちの体の中でどのような働きをするのか、見ていきましょう。
βカロテン
βカロテンは、主に緑黄色野菜に含まれています。βカロテンは体内でビタミンAに変わりますが、ビタミンAになるのは必要な分だけです。
動物性食品に含まれるレチノールは体内に蓄積されてしまいますが、βカロテンは蓄積されることはありません。βカロテンは皮膚や粘膜を丈夫に保つ働きや、抗酸化作用があります。
ビタミンB群
ビタミンB群の主な働きは、代謝をサポートすることです。豆苗に含まれるビタミンB群は、B1、B2、B6、ナイアシン、パントテン酸になります。
ビタミンB群はそれぞれを単体で摂取してもあまり効果を得ることはできないため、一緒に摂ることが推奨されています。
豆苗には多くのビタミンB群が含まれていますから、それぞれの持つ効果や効能をしっかりと得ることができるでしょう。
ビタミンC
抗酸化作用といえば、まっさきに思い浮かぶのがビタミンCです。柑橘系の果物に豊富なイメージですが、豆苗はそれらに負けず劣らずな量のビタミンCを含んでいるんですよ。
体内でコラーゲンを合成したり、免疫力を高める働きがあります。抗酸化作用が強いので、美肌の維持には欠かせませんね。ストレスを緩和する働きもありますよ。
ビタミンE
抗酸化作用を持つビタミン類のなかでも、ひときわ強力な抗酸化作用があるのが、このビタミンEです。老けて見える最大の原因である「過酸化脂質」の害を防ぐ効果があります。
その抗酸化作用の強さから、ビタミンEは「若返りのビタミン」とも呼ばれているのですよ。いつまでもきれいでいたい、若々しくいたいと思うのなら、ビタミンEを積極的に摂る必要があると言えるでしょう。
ビタミンK
ビタミンKは、ケガなどをして出血したときに血液を固める作用があります。転んで膝を擦りむいても、いつのまにか血は止まっているでしょう?
あれは、ビタミンKの血液凝固作用によるものです。体内のビタミンKが不足すると、たとえば出産の時や交通事故に遭ったときなどに血が止まらなくて大変なことになってしまいます。
葉酸
ビタミンB群の1つである葉酸は、DNAの合成や細胞分裂の促進、赤血球の生成などに関与しています。
「妊娠中に必要なもの」といった漠然としたイメージしかない葉酸ですが、実は健康維持のためには欠かせないものなのです。
もちろん妊娠中は赤ちゃんの成長のためにも、普段より多くの葉酸が必要になります。
まとめ
あまり冴えない野菜である豆苗ですが、こんなにも多くの栄養を含んでいるのです。必要量を摂取しにくい葉酸まで含んでいますので、ぜひ積極的に食卓に取り入れてほしいと思います。
葉酸やビタミンCは熱や水に弱いという性質がありますから、これらの栄養素を無駄にしないためには、さっと洗ってサラダなどにし、できるだけ生のまま食べることをおすすめします。