アルコールを大量に飲むと葉酸を飲んでも吸収されなくなってしまう
葉酸というのは、代謝や造血作用などに関わる大切な栄養素です。
バランスの良い食事を心がけていれば、葉酸不足になることはそうそうありません。
しかし、アルコールをたくさん飲むという人は要注意です。
葉酸不足になっているかもしれません。
たとえ葉酸を豊富に含むものを食べていても、アルコールを多飲していることが原因で葉酸が体内に吸収されていないかもしれないのです。
いくら葉酸を摂取していても、それが体内に吸収されないのでは意味がありません。
では、なぜアルコールを飲むと葉酸不足になりやすいのでしょうか。
葉酸とアルコールの関係について、調べてみたいと思います。
アルコールの分解速度というのは、体質によって異なります。
お酒に強い人もいれば、めっぽう弱い人もいますよね。
そのため、どのくらい飲んだら葉酸不足になるとは一概には言えないのです。
人によってアルコールの量は異なるものの、毎晩浴びるように飲んでいたり、常に酔いを感じるほど飲み続けるのはいかがなものかと思います。
アルコールを大量に飲むと、肝臓は「アルコールの分解」を優先して行うようになります。
葉酸を吸収するということは、後回しにされてしまうんですね。
アルコールは葉酸が体内に吸収されるための一連の流れを邪魔してしまうため、葉酸不足になる原因だと言われているわけです。
アルコール依存症の人は、ほぼ葉酸が足りていないと見ていいでしょう。
葉酸というのは水溶性ビタミンであるため、体内に蓄積しておくことはできません。
吸収されなかった分はすべて、尿として体外に排出されることになります。
葉酸不足が招く貧血とは
葉酸と聞くと赤ちゃんの発育に欠かせないというイメージから、「妊婦が摂るもの」だと勘違いしている人も多いかもしれません。
確かに、葉酸は細胞分裂を促したり細胞の増殖を促す働きなどがあるため、おなかの中の赤ちゃんを育てるためには欠かせません。
妊娠中は普段よりも多くの葉酸を摂取することが望ましいとされています。
つまり、葉酸は妊娠中にはさらに必要だけれども、妊娠していない人にも欠かせないものである、ということです。
葉酸はビタミンB12とともに赤血球を作る造血作用がありますから、不足すると貧血になります。
貧血になる原因は、鉄分不足だけではないんですね。
「葉酸欠乏性貧血」や「巨赤芽球性貧血」と呼ばれる貧血がそうです。
赤血球が少なくなってしまうこと、赤血球のなりそこないが増えてしまうことがこれらの葉酸不足が招く貧血の原因です。
アルコール性肝障害になると葉酸不足になる?
アルコール性肝障害というのは、一言でいえばアルコールの飲みすぎによって肝臓が疲れてしまっている状態です。
アルコールを分解するためには肝臓の働きが必要不可欠ですから、常にフル稼働していたのでは当然疲れてしまいますよね。
肝臓はアルコールの分解以外にも、脂溶性ビタミンを蓄えておくという役割も担っています。
脂溶性ビタミンというのは水に溶けないビタミンのことで、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKがあります。
しかしアルコール性肝障害になってしまうと、肝臓の機能そのものが停止あるいは著しく低下してしまいます。
そのため、本来ならば蓄えておけるはずのビタミンを蓄えておくことができなくなるわけです。
そうなれば、もちろん水溶性ビタミンであるビタミンをB1、ビタミンB2、ビタミンB12、葉酸なども不足しがちになります。
これらのビタミンB群は、主に糖質や脂質の代謝に関わっています。
糖質や脂質の代謝がうまくいかないということは、食べたものをエネルギーとしてうまく使えないということです。
そのため、葉酸が足りなくなると慢性的な疲労に悩まされることとなるのです。
葉酸不足にならないためには?
では、葉酸不足にならないようにするには、どうしたらいいのでしょうか。
まずは、アルコールの飲み方を見直してみましょう。
アルコールは、楽しむ程度に飲むのならむしろ健康にいいとも言われています。
飲み方や飲む量を考えないと、肝臓を始め様々な器官に負担をかけることになります。
これではどんなに葉酸を摂っても吸収されずに排出されてしまいます。
ですから、まずはアルコールとの付き合い方を見直すべきだといえるでしょう。
そして、その上で野菜をたくさん食べるようにしてください。
葉酸の足りていない人は野菜不足だという傾向にあるので、普段の食事で野菜をたっぷりと摂るように心がけてみましょう。
どうしても野菜が食べられない、野菜が苦手だというのなら、サプリメントから葉酸を摂るというのもおすすめです。
葉酸のサプリメントもたくさんの種類がありますから、自分に合うものを選ぶようにしてくださいね。
サプリメントなら、できるだけ葉酸の他にビタミンB12やビタミンCが配合されているものを選ぶことをおすすめします。
これらのビタミンは葉酸の働きを高めるために必要不可欠なのです。
葉酸を摂っても体内で働いてくれなければ意味がないので、効率よく葉酸を摂ることを考えてみてくださいね。