前立腺ガンは男性のみ、卵巣ガンは女性のみに発症する可能性があります。
ガンといえば胃ガンや肺ガンなどが多いですが、前立腺ガンは全体で見ても発症率4位にランクインするなど、年間を通しても多くの人がかかっているものです。
前立腺ガンは自覚症状がないことも多く、かなり進行しても気がつかないことも少なくありません。実際、前立腺以外のところに転移してから、その転移先の症状がきっかけで気がつくことも多いのだとか。
ガンが発症する原因は、はっきりしたものは未だに分かっていません。きっかけとなる要因はいくつか挙げられても、「これだ!」というものは、現代の医学においても解明されてはいないのです。
そんな一部のガンは、「葉酸」と言うビタミンを摂ることで予防できると言われているのですが、みなさんはご存じでしょうか。
ここでは、前立腺ガンや卵巣ガンと葉酸の関係ついて、くわしくご紹介していきましょう。
葉酸が不足するとガンになるリスクが高まる?
葉酸には、大腸ガンや前立腺ガン、卵巣ガンなどを抑制する働きがあると言われています。とはいえ葉酸はただのビタミンですから、葉酸自体に抗ガン作用があるわけではありません。
葉酸はホウレン草の葉から発見されたビタミンで、ビタミンB群の一種に分類されています。
葉酸の働きには、以下のようなものがあります。
- 核酸(DNA)の合成
- 細胞分裂の促進
- 赤血球の生成
- ホモシステインの代謝
このなかでガンと関係のあるものは「核酸(DNA)の合成」「細胞分裂の促進」この2つです。この2つの働きは、妊娠中の胎児の発育にも重要な影響を与えると言われていますよね。
胎児の頃は、一生のうちでももっとも細胞分裂が盛んに行われる時期です。そのため、葉酸もたくさん必要になります。
とはいえ胎児は自ら葉酸を摂ることはできませんから、お母さんがしっかりと葉酸を摂らなければなりません。
葉酸が不足するとDNAの合成、および細胞分裂がうまく行われなくなる可能性があり、それによって先天性の障害を患うリスクが高くなってしまうのです。
話が逸れてしまいましたが、この2つの働きは胎児にだけ使われるものではありません。私たちの体内では、大人になった今でも細胞分裂は行われているんですよ。
そのためには当然、葉酸は必要になります。
葉酸が足りないと、遺伝情報を司るDNAのコピーがうまく行われず、いわゆる「ミスコピー」の細胞が作られてしまいます。
実は、このミスコピーによる細胞がガン化すると言われているのです。もちろん、ガン細胞のすべてがミスコピー細胞から作られるというわけではありません。
ガンはタバコやアルコール、食生活、生活習慣、そして遺伝などの様々な要因が合わさって発症します。その中の要因の1つに、ミスコピー細胞というのがある、と考えられているのです。
実際、海外の研究によりますと、葉酸サプリを摂取していた人たちは大腸ガンの発症リスクが、そうでない人と比べて20%以上も低下したそうです。
あくまでも研究段階のデータではありますが、葉酸サプリでガン予防ができるというのは朗報ですよね!
葉酸は食品に含まれるものではなく、サプリメントから摂ることがポイントなのだとか。
しかし、ガン予防ができるからといって、葉酸サプリを大量に摂るのはかえって逆効果だとも言われているんですよ。
葉酸を1日1g以上摂るとガンのリスクが2倍に
葉酸はもともと水溶性のビタミンのため、食品からならどれだけ摂っても問題ありません。不要な分は尿として排出されていくからです。
しかし、サプリメントの場合は「1日1mgまで」という上限が定められているんですよ。
葉酸というのは非常に小さなもので、もっとも多く必要な妊婦でさえ、1日にサプリメントから摂る葉酸量は400μgです。
妊婦でさえ、普通なら上限にすら届くことはありません。その上限の1000倍にも相当する葉酸を毎日摂り続けていると、なんとガンになるリスクが通常の2倍にも高まるそうです。
葉酸サプリで大腸ガンや前立腺ガン、卵巣ガンなどの予防ができるからといって、明らかに異常とも言える量を摂り続けるのは危険です。
絶対にやめてください。
まとめ
葉酸は、ガンとは切っても切り離せないような深い関係にある栄養素です。というのも、抗がん剤の副作用軽減などの目的で、ガン患者に葉酸が投与されることは非常に多いのです。
ガン細胞が増殖していくのは、異常ともいえるスピードでDNAが合成され、細胞分裂を行っているため。
この働きを抑制することでガンの進行を食い止めているわけですから、葉酸が正常な働きをできないようにしてしまっているのです。
葉酸不足による重大な副作用を軽減するためにも、葉酸が投与されると言うわけです。このように、ガンと葉酸にはとても深い関係があるんですよ。
葉酸はガンの予防になる一方、摂りすぎたりすでにガンになっている人が摂ると、場合によってはガンを進行させてしまう恐れもあるでしょう。
しっかりと用法、容量を守って服用してくださいね。