なぜ葉酸で発達障害のリスクを軽減できるのか？

発達障害という障害を知っていますか？発達障害は病気ではなく、脳の障害の一種と考えられています。そのため、残念ながら努力して治るものではありません。

発達障害というと幅広いのですが、主なものには自閉症があります。自閉症は、広汎性発達障害の1つなんですよ。そんな発達障害ですが、どのようなものなのでしょうか。

また、予防することはできるのでしょうか。

発達障害とは言葉や認知の遅れのこと

発達障害は、主に胎児から3歳頃までに言葉や認知などの発達に遅れが見られることで発覚します。外表奇形や先天性の異常は、出生前診断で調べることができますが、発達障害は妊娠中に調べることはできません。

なぜなら、発達障害は脳の構造や機能の異常によって発生するものだからです。

発達障害の特徴としては

などがあります。小さな頃は、言葉を発することがない、他人と目を合わせない、返事をしない、笑わないなどがきっかけで発達障害を疑うことが多いです。

成長するにつれ、今度は集団生活がうまくできないなどが現れ始めます。発達障害は、乳児検診で指摘をされて気がつくことも多く、1歳半頃から小児科での管轄となります。

たとえば身内に発達障害の人がいると、「もしかして我が子も発達障害になるかも…」「この子の発達障害は遺伝なんじゃないか」と不安になることもあるでしょう。親なら誰でも、健康なこどもを産みたいと思うのは当然のことです。

しかし、発達障害は遺伝よりも妊娠中の環境が重要だと言われています。脳の神経細胞が破壊されてしまうことで、発達障害になると考えられているからです。

これには、妊娠中の活性酵素の量がまずあげられます。たとえば妊娠中にタバコを吸っている人や、タバコを吸う人のそばにいる場合、お腹の中の赤ちゃんが酸欠状態になってしまいます。

ここ数年、受動喫煙の問題が社会現象になっていますが、これは妊婦にも重大な問題を与えてしまうのです。

妊娠中にタバコを吸っていると、そうでない場合と比べて赤ちゃんが自閉症になる確率が1.4倍にも上昇することが分かっています。

ただ、発達障害の原因については未だに分かっていないことも多く、タバコだけが原因ということはありません。自閉症のこどもの母親が、全員妊娠中にタバコを吸っていたというわけではありません。

妊娠中に葉酸というビタミンを摂取するというのは、今では当たり前の話になりました。2002年頃から母子手帳にも葉酸の必要性が記載されるようになり、妊娠中に葉酸が大切なことはみなさんも知っていますよね。

葉酸の働きにはいろいろなものがありますが、妊娠中に葉酸を摂るべきと言われる最大の理由は、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを減らせることが分かったからです。

妊娠初期に葉酸をしっかりと摂っていれば、神経管閉鎖障害のリスクは70％も軽減することができるんですよ。

神経管閉鎖障害というのは、先天性の障害、奇形の1つです。

実はこの神経管閉鎖障害のリスクを減らせる葉酸で、自閉症などの発達障害のリスクも減らせる可能性があるということが、ノルウェーの研究で分かったというのです！

ただ、まだ神経管閉鎖障害ほど確実にその効果が認められたわけではありません。まだ「可能性がある」という話ではあります。

この研究では、葉酸を摂ることで言語発達遅滞のリスクを減らせることができたそうです。妊娠4週目～8週目までに葉酸を摂ったことでこのような結果が得られたとのことですから、ぜひ妊娠前から葉酸の摂取を心がけたいものですね。

葉酸は神経管閉鎖障害のリスクを減らせることから、妊活中から摂取しているという人もいるでしょう。発達障害のリスクを減らすためにも、妊活中から葉酸を摂取することをおすすめします。

ノルウェーの研究では、言語発達遅滞のリスクを減らせたのは妊娠4週目～8週目までに葉酸を摂った場合です。この時期は妊娠に気づくころでもありますから、妊娠に気づいてからでは遅いということもあり得ます。

妊娠を計画したときから、葉酸を摂ることが望ましいのだと言えるでしょう。

発達障害は、脳の構造や機能の異常によって発生するものです。葉酸ですべての発達障害が予防できるわけではありませんが、葉酸にはDNAを合成して細胞分裂を促進する働きがあります。

これは脳の神経細胞に関しても同じです。しっかりと脳の神経細胞を作ることができれば、発達障害を防げると思うのは当然のことでしょう。

葉酸は妊娠前から摂ることが重要ですから、ぜひ妊娠を計画したときから、サプリメントなどで葉酸を摂取するようにしてみてくださいね。

健康な赤ちゃんを産むためにも、妊娠中にできることはすべて行っていきたいところです。妊活サプリや妊婦向けサプリはたくさんありますから、自分に合うものを見つけていきましょう。