葉酸が豊富に含まれる食品「うなぎ」
妊娠中に必要な栄養素はたくさんありますが、中でも注目すべきが「葉酸」です。葉酸はビタミンB群の一種で、水溶性のビタミンです。
葉酸は代謝や細胞の合成などに関わるビタミンで、赤ちゃんの健康のためにも欠かせません。
妊婦に特に葉酸が必要な時期は、妊娠8週目までの妊娠超初期と呼ばれる時期です。
なぜかというと、この時期に赤ちゃんの脳や脊髄の基礎となる神経細胞のほとんどが作られているからです。
この時期に葉酸が足りていないと、赤ちゃんが「神経閉鎖障害」という障害になってしまうリスクが高まってしまいます。
ただ、葉酸を摂ったから障害にならない、葉酸を摂らなかったから障害になる、というものではありません。
あくまでもリスクの問題です。しかし、危険なリスクは少しでも減らしたいと思うのが親心ですよね。しっかりと葉酸を摂りたいと思うのは当然のことです。
葉酸と聞くとサプリメントから摂るというイメージがありますが、葉酸は食品にも含まれています。
葉酸はビタミンの1つですから、当然といえば当然です。では、どんな食べ物に葉酸はたくさん含まれているのでしょうか。
葉酸の量が多いことで知られているのは、お肉のレバー、うなぎ、緑黄色野菜などです。
ここでは、うなぎに注目してみたいと思います。うなぎには、多くの葉酸が含まれています。特にうなぎの肝には葉酸が多く、その量は100gあたり380μgです。
これは、レバーにこそ劣るものの、野菜などと比べれば圧倒的に多い数字です。葉酸の数字だけを見れば、うなぎを食べれば葉酸を補うことができる、そう思いますよね。
しかし、うなぎを毎日食べることはできますか?現実的に考えて、うなぎを毎日食べるのは難しいでしょう。経済的にも厳しくなりますし、うなぎはカロリーも高めです。
妊娠中なら特に、カロリーの摂りすぎになってしまうかもしれません。
うなぎとビタミンAの関係
うなぎには、葉酸以外にも多くのビタミンが含まれています。ビタミンA(レチノール)、ビタミンB群などが豊富なんですよ。
葉酸などビタミンB群に関しては、水溶性ビタミンなのでたとえ食品から摂りすぎても問題はないとされています。
なぜなら、不要な分はすべて尿として排出されてしまうからです。
食品のみで葉酸を摂っているのなら、「葉酸の過剰摂取」は特別心配することはありません。
ここで気にしなければいけないのは、ビタミンAです。ビタミンAは葉酸とは違い、脂溶性ビタミンになります。
水に溶けることがなく、体内に蓄積されてしまいます。妊娠中は、ビタミンAは600μg~900μg程度必要だと言われています。
しかしその一方で、妊娠3ヶ月頃までにビタミンAを過剰に摂りすぎると、おなかの赤ちゃんに奇形が生じるリスクが高まると言われています。
つわりがおさまったら鰻も食べに行きたいと思ってたけど鰻は妊婦にあまり良くないんだね。まあ一回くらいならいいとは思うんだけど。
— たっぷり@15w (@_idagu_) 2016年12月17日
帰宅〜〜!!
ひっさしぶりにうなぎ食べた!
妊婦さんのビタミンA摂取は推奨されないんだけどたまにならいいらしいので!
うなぎはやっぱたれだよね……— いちこ (@ichi0619) 2016年9月11日
ここで勘違いしないでほしいのは、ビタミンAも妊婦には必要な栄養素である、ということ。
ビタミンAの過剰摂取による奇形のリスクというと、ビタミンAが悪者のように思われてしまいますが、ビタミンAも必要な栄養素であることに変わりはありません。
ほどほどに摂取すればいいのです。
このことから、ビタミンAが豊富に含まれているうなぎで葉酸不足を補うことは、あまりおすすめはできません。
葉酸不足を補うためにうなぎをたくさん食べれば、当然ビタミンAの過剰摂取も心配だからです。
葉酸を多く含むうなぎやレバーは、葉酸だけでなくビタミンAも多いので、妊娠中はほどほどに楽しむ程度にしたほうが良さそうです。
葉酸サプリメントを選ぶときのポイント
葉酸を体内でしっかりと活用させるためには、葉酸だけではいけません。
ほかのビタミンとの相互作用によって、葉酸は本来の力を発揮することができるのです。
そのため、妊娠向けの葉酸サプリメントには葉酸以外の栄養素が含まれたものも多いですよね。
このとき、どんなビタミンが配合されているかは注意して見てみてください。
先程お話ししたビタミンAが含まれたものなどは、食事と合わせると過剰摂取になることも考えられます。
妊娠向けの葉酸サプリメントにはビタミンAは含まれていないものがほとんどですが、シンプルな葉酸サプリの他に「マルチビタミン」などのサプリメントを飲んでいる人は注意が必要だといえます。
普段の食事でビタミンAが足りなくなることはほとんどありませんので、あえてサプリメントからビタミンAを摂取する必要はないのかなと思います。
葉酸もその他のビタミンもそうですが、まずは普段の食事を見直すところから始めましょう。
偏った食事ばかりをしていれば、当然ある栄養素は不足し、ある栄養素は過剰摂取になります。
妊娠中であるかどうかに関わらず、健康のためには食事の見直しは欠かせないのだといえるでしょう。
うなぎは女性ホルモンのバランスを整えたり、疲労回復などの効果もあります。
妊娠中だから食べてはいけないということはないので、ストレスを溜めない程度にうなぎは楽しむようにしてくださいね。