葉酸を多く含む食品一覧
葉酸というビタミンは、私たちが健康に生きるために欠かせないものです。
葉酸はビタミンB12とともに赤血球を作る手伝いをしたり、細胞分裂を促す働きなどがあります。
特に妊娠中には必要不可欠な栄養素だと言われていますね。
葉酸はおなかの中の赤ちゃんの先天異常を防ぐ(リスクを低下させる)ことから、妊娠中な吸収率の高いモノグルタミン酸型葉酸(サプリメント)を摂ることが推奨されています。
このことは、2002年から母子手帳にも記載されるようになりました。
バランスのいい食事をしていれば、一般人の葉酸摂取量(240μg)を超えることは難しくありません。
実際、日本人の葉酸平均摂取量は、推奨量を超えています。
しかし、妊娠中の場合は話は別です。
妊娠中は480μgの葉酸が必要で、これを食事のみで補うことは難しいでしょう。意識して葉酸を多く含む食べ物を摂ることをおすすめします。
では、葉酸を多く含む食品には、どんなものがあるのでしょうか。
のり・グレープフルーツの葉酸量
葉酸を多く含む食品と聞いて思い浮かぶものに、グレープフルーツがあります。
グレープフルーツには本当にたくさんの葉酸が含まれているのでしょうか。結論からいいますと、グレープフルーツにたくさんの葉酸が含まれているというのは間違いです。
だいたいグレープフルーツ1個あたり、含まれている葉酸の量は45μgくらいのものです。
妊娠中は普段の食事プラス400μgの葉酸を摂ることが勧められていますから、45μgではグレープフルーツを9つ食べなければいけません。
それを毎日です。
グレープフルーツが好きな人でも、毎日10個近くのグレープフルーツを食べ続けるのは現実的には難しいですよね。
グレープフルーツには、葉酸の他にもビタミンCやイノシトールなど、嬉しい成分がたくさん含まれています。
葉酸はビタミンCがあることで活性化しますので、葉酸を体内でしっかりと活用するためにはいい組み合わせです。
また、イノシトールは血管の脂肪やコレステロールを代謝する働きがあります。
このことからも、グレープフルーツは妊婦には特におすすめだと言われているのです。グレープフルーツで葉酸をすべて補うのは難しいですが、グレープフルーツを食べることはいいことだと言えるでしょう。
100gあたりの葉酸含有量がずば抜けて高い食品に「焼きのり」があります。焼きのりには100gあたり1900μgの葉酸が含まれています。
とはいえ、焼きのりは毎日100gも食べないですよね。
焼きのりの1食分は約3gで、それだけで60μgの葉酸を摂ることができます。
焼きのりはごはんやおかずなど何とも相性がいいので、積極的に摂り入れてみるといいですね。
ちなみに「のりの佃煮」にしてしまうと、葉酸は100gあたり23μgまで減少します。
これは、佃煮にする過程で火や水を使うためです。
葉酸は熱に弱く水に溶けてしまう性質を持っているため、佃煮にするとその大部分の栄養は失われてしまいます。
のりから葉酸を摂りたいのなら、できるだけ焼きのりの状態で食べるといいと思います。
葉酸を添加したシリアル
最近では、あえて葉酸を添加した食品も増えてきました。
葉酸には様々な健康効果がありますが、欧米化した食事によって、特に若い人ほど葉酸が足りていないという傾向にあります。
そこで、あえて葉酸を添加した食品が売られるようになったのです。
その1つがシリアルです。
シリアルは食物繊維が豊富で簡単に多くの栄養素が摂れるとして、朝食などに人気がありますよね。
そんなシリアルには、人工的に「モノグルタミン酸型葉酸」が添加されています。
モノグルタミン酸型葉酸というのは、体内に吸収されやすいように加工された合成葉酸です。
食品に含まれる葉酸は吸収率がとても低いため、効率が悪いのです。
例えばカルビーの「フルグラ」では、1食あたり67μgの葉酸を摂ることができます。
ケロッグの「フルーツグラノーラ」なら60μgです。
シリアルはトランス脂肪酸も豊富ですし、食物繊維も豊富なので便秘対策にもなりますね。
妊娠中の葉酸摂取量には足りませんが、シリアルは妊婦にもおすすめの食べ物であるといえそうです。
ただ、シリアルを選ぶときは砂糖や添加物がどのくらい含まれているのかはしっかりとチェックしておきましょう。
健康のための葉酸ですから、できるだけ健康を損ねることのない食べ方(摂り方)をしなければなりません。
今現在は、まだ葉酸が添加された食品はシリアルを含め数点しかありません。
しかし、アメリカではすでに米などにも葉酸の添加が行われています。
添加する葉酸が安全なものであるなら、普段の食事でしっかりと葉酸が摂れるようになるのはありがたいことですよね。
葉酸を添加した食品が多いからか、アメリカでは日本よりも「二分脊椎症」という先天異常を持って生まれてくる赤ちゃんは圧倒的に少ないそうです。
日本でも、医師たちが「食品への葉酸の添加」を求めています。
近いうちに、葉酸が添加された食品はもっと増えることでしょう。