妊娠中に葉酸が必要だということは、今では常識ともいえるほど広く認知されてきました。
妊娠中以外の人でも葉酸は必要なものですが、厚生労働省がサプリメントなどから摂取を呼び掛けているのは、妊娠と関係のある人のみです。妊婦や妊活中の人ですね。
上記に当てはまる人は、1日あたり400μgのモノグルタミン酸型葉酸を摂取することが推奨されているのです。
多くの人は、葉酸摂取の方法として「サプリメント」を選択しています。食事からだけでは、どうしても必要量を確実に摂ることはできません。
妊娠中という確実に摂取しなければいけない時期だからこそ、より確実な方法を選択しなければなりません。さて、そんな葉酸を摂る方法として人気が高まっているのが、「グラノーラ」です。
グラノーラという食べ物を知っていますか?ここでは、グラノーラから葉酸を摂るメリットとデメリットについて、徹底的に検証してみたいと思います。
グラノーラとは玄米やオーツ麦にドライフルーツを混ぜたもの
グラノーラというのは、シリアルの一種です。コーンフレークなどの、牛乳をかけて食べるものと同じですね。
シリアルは手軽に食べられるため人気ですが、美味しいものには砂糖などもたくさん使われているため、カロリーが高いことが悩みの種でもありました。
という人たちからの強い支持を受けているのが、グラノーラというわけです。
妊娠中、何食べてたっけなぁ。玄米シリアル+グラノーラ+牛乳(豆乳だったかも)+ヨーグルト+プルーンが朝ごはんだったなぁ。おやつはグレープフルーツ。後期はよくいりこ食べてたな。
— nodatz (@nodatz) May 2, 2012
グラノーラは、ケロッグやカルビーなどから販売されている他、最近ではプライベートブランドからも販売されていますね。それほど人気が高いということなのでしょう。
手軽で美味しいため、朝食やおやつの代わりとしても大活躍ですよ!一般的なグラノーラには葉酸は含まれていないか、含まれていてもごくわずかしかありません。「グラノーラで葉酸補給をする」とは言えないでしょう。
しかし、葉酸を添加しているグラノーラも販売されています。有名メーカーのグラノーラである、カルビーの「フルグラ」やケロッグの「フルーツグラノーラ」には、それぞれ1食分に67μg、60μgの葉酸が添加されているんですよ。
このことも踏まえて、妊娠中にグラノーラから葉酸を摂るメリット、そしてデメリットについてまとめていきましょう。
グラノーラのメリットは妊婦の体重管理と便秘対策に役立つこと
まずはメリットから説明していきましょう。妊娠中にグラノーラから葉酸を摂ること、というより妊娠中にグラノーラを食べることのメリットなのですが、「便秘対策」「体重管理」の2つの効果が得られます。
妊娠中の便秘が解消された。 朝は「ごろっと大豆のグラノーラ」食べて、おやつにいちじくのドライフルーツ。 夕食後デザートに林檎半分食べたら今のとこ三日連続でつるっと。
林檎もいいわよー。— ぽこたろう@たけのこの里厨 (@pokotarou2525) March 20, 2014
妊娠中というのは、おなかが大きくなることやホルモンバランスが普段とは異なることから、便秘になりやすいと言われています。
実際、妊婦の70%近くが便秘に悩まされているんですよ。妊娠中はもちろん下剤などは飲めませんし、かといって運動も思うように行うことはできません。
妊娠中の便秘は、食事で改善しなければならないのです。グラノーラは、そんな妊娠中の便秘にはまさに救世主となりうる食べ物だと言えるでしょう。
なぜなら、グラノーラにはバナナ4本分にも相当する量の食物繊維が含まれているんですよ。バナナを4本も食べるのはとても大変ですが、グラノーラなら1食ですむので簡単ですね。
グラノーラが今流行ってるのか。妊娠中と産後の空腹時に重宝したわ。今は食べてないけど。
— kumako (@juliartfd) October 29, 2013
そしてこのことは、妊婦の体重管理にもおすすめです。一昔前では「妊娠中は赤ちゃんの分まで、2人分食べなさい」と言われてきました。
しかし今は違います。
必要な栄養はしっかりと摂り、なおかつ体重は増やしすぎないようにすることが基本なのです。体重を増やしすぎてしまうと妊娠中毒症の症状が出たり、産道に脂肪がついて難産、もしくは帝王切開を余儀なくされることもあるのだとか。
鉄分も摂れますし、アイスやヨーグルトなどに混ぜるなどいろいろな食べ方ができるというのもメリットですね。
グラノーラは葉酸の含有量が少ない
では次にデメリットについてお話ししましょう。1食あたりのグラノーラの葉酸量は、60μgほどです。
妊婦が1日に必要な葉酸量は「食事で280μg+サプリメントで400μg」と言われていますが、グラノーラの葉酸はどちらに該当するかご存じですか?
実はグラノーラの葉酸は人為的に添加されたものですので、サプリメントと同じ扱いになるのです。
もともと葉酸は水溶性のビタミンなので過剰摂取の心配はほとんどないのですが、サプリメントの葉酸の場合は違います。
上限が1,000μgと決まっていて、明らかに過剰摂取になると副作用が出たり、赤ちゃんに対してリスクを伴うこともあるんですよ。
グラノーラだけで必要な量の葉酸を摂ることはできませんので、おそらくみなさん葉酸サプリも飲んでいることでしょう。
葉酸サプリの摂取量を守っていれば、グラノーラと合わせても葉酸が過剰摂取になることはありません。
もしもグラノーラだけで葉酸を摂ろうとすると、カルビーのフルグラの場合7食分ほども食べなければなりません。
いくらヘルシーで食物繊維の豊富なものであるとはいえ、1日に7食も食べるのはいかがなものかと思います。結論からして、「グラノーラだけで妊婦の葉酸補給はできない」と言えるでしょう。
まとめ
妊娠中におけるグラノーラのメリットとデメリットについでまとめました。便秘改善や体重管理ができるというメリットがある一方、1食分だけでは必要な葉酸には足りないということが分かりました。
葉酸サプリと併用するときは、葉酸が過剰摂取にならないように気を付ける必要があるものの、グラノーラは妊娠中におすすめの食べ物の1つだと言えそうです。