葉酸が着床率を高める2つの理由

赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを減らせることから、妊娠初期には特に欠かせないと言われている「葉酸」。2002年頃からは、このことは母子手帳にも記載されるようになりました。

妊娠に気づく頃には、赤ちゃんの神経管の大半はすでに作られてしまっているため、リスクを減らすためには「妊活中」から葉酸を摂ることが勧められていますね。

こうしてみると、

「結局のところ葉酸は妊娠してから必要なものであって、妊娠力を高めるためには効果はないんでしょ？」

と思う人もいるかもしれませんね。しかし、それは違います！葉酸は着床と深い関係があり、妊娠率を高めるために一躍買っているんですよ！

ここでは、そんな葉酸が着床率を高める2つの理由について、詳しくご紹介していきましょう。

葉酸は子宮内膜を強化する

葉酸が着床率を高める理由の1つめは、葉酸によって子宮内膜が強化されるためです。子宮内膜というのは、受精卵が根付くところで、分かりやすくいうならベッドのようなものです。

固くて薄いベッドでは、あなたも寝たくないですよね？受精卵も同じで、フカフカとしていて厚みのあるベッドを好むのです。

葉酸は、排卵を促すもととなる卵胞ホルモンを活性化する働きがあります。卵胞というのは卵子が入っている袋のことで、卵胞が成熟しないと質の良い排卵は行われません。また、卵胞ホルモンは「子宮内膜を厚くする」という働きも持っています。卵子が受精卵となった際、着床しやすい環境作りに役立っているのです。

葉酸が着床率を高める2つめの理由は、「子宮内の血行を促進できる」というもの。葉酸には、ビタミンB12とともに赤血球を作るという造血作用があります。

血液が少ないと血行も悪くなり、冷えによって子宮や卵巣の働きが鈍くなってしまうのです。私たちが寒いところより暖かいところを好むように、受精卵も冷たいところよりも温かいところを好みます。

冷えてしまって子宮の働きが鈍くなると、たとえ一時的に着床したとしても受精卵の細胞分裂がうまく行われず、化学流産してしまうこともあるでしょう。せっかく妊娠できたと思っても、流れてしまったのでは意味がありません。

葉酸によって血液が増え、血液の流れが良くなることで子宮が温かく保てるようになります。受精卵が守られることで、強いては着床率を上げることができるのだと言えます。

この2つが、葉酸が着床率を高める理由です。

着床障害というのは、なんらかの理由で着床ができない状態のことをいいます。女性の原因不明の不妊の多くは、着床障害なのだそう。

子作りをするタイミングはバッチリなのに妊娠できない…という人は、受精卵になっても着床することができないため、妊娠に至らないそうです。

着床というのは、排卵日から約7日～10日後に訪れます。

人によっては、この着床時期には「ある変化」が現れることもあるんですよ。たとえば「着床痛と呼ばれる下腹部の痛み」「着床出血」などがそうです。

腹痛は生理前にもありますし、着床出血はない人もたくさんいるため、なかなか着床には気がつかないかもしれません。

着床出血のことを、「今月は生理がいつもより早く来た」「不正出血？」と勘違いし、出血が続かないことから初めて「着床出血だったのかも」と思うことも多いようです。

着床を失敗させないためには、このようなわずかな変化も見逃さないようにしたいですね。また、着床時期に行うと化学流産のリスクを高めてしまう行動というのもあります。普段から何気なく行っていることばかりであるため、意識しないとついやってしまうかもしれません。

着床率を上げたいという気持ちがあるのなら、これからお話しすることは着床時期にはしないようにしてください。

この4つは、着床率を下げてしまうと言われています。激しい運動やセックスは子宮に刺激を与えてしまいますし、冷えについては先ほど説明しましたね。

タバコは、体内の活性酵素を増やしてしまいます。おそらく妊活中の人ならタバコを吸うことはないでしょうが、タバコの吸う人の側にいることも危険です。

妊娠したいという気持ちがあるのなら、やはりタバコとは距離を置くのが鉄則だと言えそうです。

妊娠初期に必須のビタミンである葉酸を妊活中から摂る理由は、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを減らすというものです。

これが葉酸を摂る一番の理由ですが、決してそれだけではありません。葉酸には「着床」をサポートする働きもあるのです。

このような人は、着床障害が不妊の原因かもしれません。病院での検査で特に異常が見当たらなかった人は、「子宮の環境が整っていない」ことによる不妊の可能性が高いです。

葉酸は赤ちゃんの健やかな成長にも欠かせないものですが、着床率を高めて妊娠をサポートする働きも兼ね備えています。ぜひ妊活中から葉酸サプリを摂って、着床率を上げていってくださいね。