子作り中の男性への葉酸の効果とは？
葉酸というと、子作り中の女性や妊娠中の人など、主に「女性が飲むもの」というイメージがあります。
確かに、葉酸が赤ちゃんに与える効果や影響についてはみなさんもご存じのことでしょう。
妊娠中の女性の葉酸が不足していると、おなかの中の赤ちゃんの細胞分裂がうまくいかなくなり、その結果として奇形児が産まれてしまうというのは有名な話です。
奇形以外にも、ダウン症や神経管閉鎖障害のリスクなども高めてしまいます。このことから、葉酸＝女性が飲むというイメージができたのでしょう。
しかし、子作りというのは女性がひとりで行うものではありません。女性が妊娠を強く望んで葉酸をしっかりと摂っていたとしても、それだけでは妊娠することはできません。
妊娠するためには、女性の卵子と男性の精子が必要であるということは、もはや常識中の常識ですよね。
とはいうものの、妊活サプリメントの多くは女性用に作られていて、「女性がひとりで」妊活を行っているというカップルも少なくありません。
妊活は、カップルで行うものです。パートナーの飲んでいる葉酸サプリを男性が飲んではいけないという決まりなどありません。
ここでは、男性への葉酸の効果や、推奨されている摂取量についてお話ししたいと思います。
葉酸で精子の質を高めることができる
女性の場合、妊娠前から葉酸を摂ることで子宮内膜を厚くして着床しやすくするなど、「妊娠しやすくなる」効果も得られます。
赤ちゃんの脳や脊髄などの細胞分裂にも葉酸は使われますから、積極的に葉酸は補いたいものです。
では、男性の場合はどうなのでしょうか。
実は、葉酸を十分摂っている男性の精子は、そうでない人（葉酸の少ない人）と比べて染色体異常のリスクが20％低下するという研究データがあります。
葉酸を摂ることで、精子の質を高めることができる、ということです。
なんとなく「射精していれば子作りには問題ない」と思っている人が多いのですが、射精していても精子の質が悪ければ妊娠させるには至りません。
精子の量や運動率が悪ければ、卵子までたどり着くことはできないのです。
不妊の原因は女性にあると考える男性が大半なのですが、不妊の原因のおよそ50％は男性にもあります。
特に近年は晩婚化も進み、年齢による精子の衰えというのも不妊の原因の1つとして考えられているのです。
葉酸を飲むことで精子の質を高めることができるうえ、ダウン症などの染色体異常のリスクを下げることもできるわけです。
葉酸は、子作り中の男性へも多大なる効果を発揮するのです。
子作り中の男性の葉酸摂取量は？
一般的に女性の場合、妊娠中には400μg～480μgの葉酸が必要だと言われています。
女性の情報はインターネットを使えばすぐに出てくるのですが、果たして男性はどのくらいの葉酸を摂ればいいのでしょうか。18歳～69歳までの男性の場合、1日あたりの葉酸の推奨摂取量は240μgだと言われています。
妊娠中の女性と比べれば半分ですね。そして、葉酸の耐用上限は900～1000μgとなっています。
葉酸はあまりにもたくさん摂りすぎると様々な健康を害するリスクがありますので、上限をオーバーしないように気を付けましょう。
葉酸サプリメントの多くは「妊活中の女性」や「妊娠中の女性」をターゲットにしています。
そのため、1日分で葉酸が400μg摂れるように作られているものが多いです。
つまり、男性が葉酸サプリメントを飲めば、それだけで推奨摂取量を摂ることができる、というわけです。
葉酸は食事からも摂ることができますが、サプリメント（400μg）と食事を合わせても900μgを超すことはほぼないので安心してください。
なぜなら、葉酸は水に弱く、吸収率がとても低い栄養素だからです。
調理の過程で失われてしまうことが多く、体内に吸収されるのはわずかな量でしかないと言われています。
そのため、葉酸はサプリメントから摂取することをおすすめしています。
子作り中のカップルはふたりで葉酸を飲むべき
子作りをし始めて、すぐに赤ちゃんを授かれる人ばかりではありません。
おそらくなかなか赤ちゃんができないから、妊活サプリメントである葉酸を飲むようになったのではないでしょうか。
毎日欠かさず基礎体温をつけ、タイミングを見計らって子作りをしてもリセットしてしまう…。
そんな女性は、あなたの前では気丈に振る舞っていても、心の中ではかなりのショックと、プレッシャーを感じているはずです。
子作りがなかなかうまくいかなくて夫婦喧嘩が増えるというのは、わりとよくある話です。
そこで、女性のプレッシャーやストレスを少しでも軽減するためにも、男性も葉酸サプリメントを飲んでみてください。
「夫も一緒に子作りをしてくれている」と思うだけでも、女性のストレスはかなり軽減されることでしょう。
もちろん女性のメンタルだけではなく、葉酸には染色体異常のリスクを低下する効果もあるわけですから、子作りならしっかりと葉酸を摂取していきたいですね。
