「更年期」や「更年期障害」という言葉を聞いたことがありますよね。
主に女性に多いものですが、男性でもなることはあります。
更年期というのは、だいたい閉経前後5年くらいの間のことをいいます。
そして、この時期に起こる様々な心身の不調を、「更年期障害」と呼んでいるのです。
更年期障害の症状は人それぞれですが、自分でもコントロールできない感情の起伏や、やる気が起こらない、身体がだるいなどはとてもつらいものです。
ここでは、そんな更年期についてや、更年期障害の軽減方法などについてご紹介していきたいと思います。
更年期障害の原因や症状
更年期障害の主な原因は、女性ホルモンの急激な減少です。
女性の場合、閉経するまではエストロゲンという女性ホルモンが分泌されていますが、閉経が近づくとホルモンの分泌量は急激に減少するのです。
エストロゲンは卵胞ホルモンとも呼ばれ、卵胞を育てて排卵を促すことが最大の目的です。
閉経した女性に排卵はありません。
つまり、エストロゲンを分泌する理由がないのです。
エストロゲンの減少によってホルモンバランスが乱れ、自律神経のバランスが乱れることで様々な不調をもたらすことが更年期障害です。
顔の火照りや倦怠感、イライラや涙もろさなどが更年期障害の症状としては多いですが、どんな症状がどのくらい出るのかには個人差があります。
更年期障害には、身体にあらわれる症状と心にあらわれる症状とがあります。
どちらであっても本人にしかつらさは分かりませんが、とてもつらいものであることは言うまでもありません。
更年期障害は生理痛と同じく、軽い人もいれば重い人まで様々です。
葉酸で血行が促進され末梢神経も修復
葉酸はビタミンB群の一種です。
葉酸には細胞分裂を促進する働きがあり、神経細胞の修復作用もあります。
また、葉酸は赤血球を作る働きがあるため、血液を増やすことにもつながります。
血行が促進されて、なおかつ末梢神経を修復、守ることができる葉酸を摂ることで更年期障害の症状を軽くすることができるのです。
肩凝りや頭痛などは、血行不良と末梢神経が傷つくことが原因です。
葉酸によってこれらの原因をなくすことができますから、結果的に更年期障害の症状を軽くすることができるわけです。
また、葉酸を含むビタミンB群やビタミンEには「女性ホルモンの生成」作用があります。
更年期障害の主な原因は女性ホルモンの急激な減少ですから、女性ホルモンを生成することができれば症状を軽減することは可能ですよね。
更年期の代謝改善にも葉酸が良い
更年期に葉酸が必要なのは、更年期障害の改善だけではありません。
更年期になると、血液中に「ホモシステイン」というアミノ酸が増えてしまいます。
今までは女性ホルモンの働きによってホモシステインを抑えていたのですが、女性ホルモンの分泌が低下する更年期になると、それができなくなります。
ホモシステインは血管を傷つけ、動脈硬化や高血圧の引き金となるものです。
悪玉コレステロールも増えていきます。
これらを正常に代謝し、健康を維持する働きを担ってくれるのが葉酸なのです。
葉酸はホモシステインと結合してメチオニンという物質に変化させ、血流の促進とコレステロールを下げるという働きがあります。
たとえば高血圧や痛風などは、女性よりも圧倒的に男性に多いです。
しかし、閉経した女性は男性と同じようにこれらの病気にかかりやすいのです。
女性ホルモンというのは、「排卵」や「妊娠」だけに関わるホルモンではないのです。
このことから、葉酸は更年期にも積極的に摂取してほしい栄養素であると言えるでしょう。
葉酸は妊娠中に摂るべきものというイメージがありますが、更年期を迎える女性もぜひ積極的に摂取してほしいと思います。
葉酸は水溶性ビタミンなので、食事から十分な量を摂取するのは難しいということもあるでしょう。
食事の見直しももちろん大切ですが、時には葉酸サプリメントから葉酸を摂取するのもいいと思います。
水溶性ビタミンは水に溶けやすく、熱に弱いという特徴があります。
そのため調理の過程で失われやすく、葉酸は体内での吸収率も低いです。
「更年期障害の症状軽減」にまで葉酸を回すためには、普段の食事よりもやや多めに葉酸を摂る必要があるでしょう。
葉酸は赤血球の生成など、生命維持に重要な働きをするところから順に使われていくからです。
更年期障害の改善には、葉酸だけでなく大豆製品を食べることもおすすめです。
大豆製品に含まれる大豆イソフラボンは、女性ホルモン「エストロゲン」と同じ働きをすることで知られていますね。
更年期障害の主な原因はエストロゲンの減少ですから、大豆イソフラボンと葉酸を補うことが重要だと言えるでしょう。
更年期は、誰にでも訪れるものです。
その時期を快適に過ごせるかどうかは、あなたの食生活とほんの少しの心がけにかかっているのです。