妊娠中に葉酸サプリが必要なのは、もうみなさんもご存じですよね。赤ちゃんの先天性の障害や奇形のリスクを減らすという目的のため、妊娠前から葉酸をサプリメントから摂ることが勧められています。
ここでのポイントは、食品に含まれる葉酸ではなく「葉酸サプリ」から葉酸を摂取する、ということ。食品にも葉酸は含まれているのに、あえてサプリメントからの摂取が推奨されているのはなぜなのでしょうか。
また、葉酸サプリメントはたくさん飲めばいいというわけではありません。あまりにも多すぎる量を摂取すると、身体に様々な異変が起こることもあります。
ここでは「なぜ葉酸は食品ではなくサプリメントから摂るべきなのか」「葉酸サプリを飲んでじんましんが出ることがあるのか」という2点について、まとめてみたいと思います。
なぜ葉酸は食品ではなくサプリメントから摂るべきなのか
ではまず、なぜ葉酸はサプリメントから摂ることが推奨されているのか、その理由からお話ししていきましょう。
それは、なんといっても吸収率の違いにあります。
食品に含まれるポリグルタミン酸型葉酸は、そもそも水溶性のビタミンであるため水に溶けやすく熱に弱いという特性があります。そのため調理の過程でも失われやすく、十分な量を摂ることが難しいのです。
さらにポリグルタミン酸型葉酸は、体内で一度モノグルタミン酸型に変換しなければならないため、どうしても吸収率が下がってしまいます。体内に入ったポリグルタミン酸型葉酸のうち、吸収されて利用されるのは50%ほどなのだとか。
これでは、妊娠中に十分な量を摂取するのは難しいと言わざるをえません。まず、どのくらい摂ったのかも分かりませんよね。
ではサプリメントならどうでしょう。サプリメントはもともとモノグルタミン酸型葉酸の状態で作られています。そのため吸収率はおよそ85%と言われているのです。
食品より、明らかに吸収率が高いことが分かったでしょう。その上、1粒にどのくらいの量の葉酸が含まれているのかは一目瞭然ですから、「足りなかった」ということもありません。
妊娠中の葉酸サプリの必要性が確立されたことにより、多くのメーカーが妊活用・妊婦向けサプリメントを販売しています。
鉄分やカルシウムなど、妊娠中に必要な栄養素が配合されているものもありますから、1つのサプリですべてまかなうことも可能なんですよ。
食事に気を使うことはもちろん大切ですが、食事の支度そのものがストレスになってしまってはいけませんから、やはりサプリメントをおすすめします。
葉酸サプリを飲んで「じんましん」が出ることがあるのか
さて、葉酸サプリは赤ちゃんの先天性の障害や奇形のリスクを減らすために飲むべきものです。
もちろんそれだけではありませんが、やはり葉酸の一番の働きは先天性の障害リスクを減らすためでしょう。
このように書くと、「健康な赤ちゃんが欲しいから葉酸をたくさん飲もう」「1日分は400μgだけど毎日3日分ずつ飲んじゃえ!」などと思う人がいるかもしれませんね。
しかし、ちょっと待ってください!
なぜ、1日分が400μgに設定されているかを考えてみてください。これは、赤ちゃんのリスクを減らすためには400μgが必要だからなのですが、葉酸サプリには上限というのも定められています。
その上限というのは、「1日あたり1,000μg」というもの。
葉酸サプリは体内吸収率の良いモノグルタミン酸型葉酸を使用していますので、どうしても過剰摂取になりやすいのです。
1日分の容量をしっかり守っていれば問題はないのですが、先ほどの例のように「健康な赤ちゃんが欲しいから」という理由で葉酸サプリを過剰に飲むのは絶対にしてはいけません。
時期によっては、赤ちゃんが喘息になるなどのリスクもあるんですよ。葉酸サプリを連日のように1,000μg以上飲むことが続くと、じんましんや吐き気といった副作用が出ることがあります。
https://twitter.com/natsumistyle/status/818532462485704705
頭痛や蕁麻疹がポツポツ現れるのと吐き気もあるんですけどサプリの副作用だったらどうしようって思い始めました…
— 奇形なぽよりん (@Ykmtd516) September 22, 2016
じんましんは、過剰摂取による副作用としては比較的出やすいものだといえます。ただ、じんましんが出たからと言ってそこまで焦る必要はありません。なぜなら、葉酸は水溶性のビタミンであり、体内に蓄積するものではないからです。
サプリメントは医薬品ではないため、基本的には副作用はありません。
もしも葉酸サプリを飲んでじんましんが出てしまったときは、「もしかして葉酸を摂りすぎているのかも?」と葉酸の過剰摂取のサインだととらえてみてください。
葉酸サプリだけでなく、葉酸キャンディやタブレット、青汁などを併用している場合、それぞれの1日分の量は守っていても、トータル的に考えると超えていることもあります。
今自分が摂っている葉酸含有のものには何があるのか、今一度考えてみてください。妊活中や妊娠中は400μg、産後や授乳中は100μgの葉酸が必要だと言われています。
まとめ
葉酸サプリは、妊娠中には必要不可欠なものです。健康な赤ちゃんを産みたいという気持ちがあるのなら、やはり葉酸サプリメントは必須アイテムだといえるでしょう。
ただし、葉酸サプリには摂取上限が決められています。いくつかのアイテムを組み合わせている人は、知らず知らずのうちに葉酸の過剰摂取になっている可能性もあります。
もしも、じんましんなどの症状が出たときは、葉酸を摂りすぎているサインだといえるでしょう。摂りすぎはいいことではありませんので、改めてどのくらいの葉酸を摂っているのかを考えてみてくださいね。