女性特有の疾患の1つでもある子宮筋腫は、不妊の原因になることがあります。
ここ数年で不妊に悩む人の数は一気に増えてきました。
もちろんこれには、晩婚化も背景にあるでしょう。
年齢が上になればなるほど、自然妊娠する確率は低下していきますよね。
子宮筋腫があると妊娠できないと思っている人が多いのですが、「子宮筋腫=不妊」につながるわけではありません。
子宮筋腫は、できる場所によっては妊娠とは関係ないんですよ。
ここでは、子宮筋腫と妊娠の関係、そして子宮筋腫の予防と改善の方法についてご紹介していきます。
子宮筋腫の種類
子宮筋腫は、できる場所によって3つに分けることができます。
- 奬膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)
- 筋層内筋腫(きんそうないきんしゅ)
- 粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)
この3つです。
詳しく見ていきましょう。
奬膜下筋腫は、子宮の外側にできる子宮筋腫です。
子宮の外側なのに子宮筋腫?と思うかもしれませんが、れっきとした子宮筋腫の1つです。
子宮の外側にあるため、妊娠するためにはあまり障害となることはありません。
小さいものなら、放置しておいても大丈夫です。
大きい場合は、妊娠したときに子宮筋腫を圧迫して激しい痛みが出ることもあります。
奬膜下筋腫があるから妊娠できないということはありませんが、場合によっては手術で取り除くこともあります。
2つめの筋層内筋腫は、子宮内膜や卵管を圧迫する場所にできます。
小さければ様子を見ることも可能ですが、大きければ不妊の原因となります。
卵管が圧迫され、正常な排卵が行えなくなるからです。
そして3つめが粘膜下筋腫です。
3種類ある子宮筋腫のなかで、この粘膜下筋腫がもっとも厄介なものになります。
粘膜下筋腫は、子宮の中にできます。
他の子宮筋腫は小さければ様子を見ることができるのですが、粘膜下筋腫は小さくても手術をする必要があります。
粘膜下筋腫は不妊の原因となるので、早めの処置が重要です。
子宮筋腫の原因とは?
では、子宮筋腫はなぜできてしまうのでしょうか。
子宮筋腫は、子宮にできる良性の腫瘍です。
腫瘍と聞くとガンが思い浮かびますが、子宮筋腫は悪性腫瘍ではなく良性の腫瘍なので、ガンになることはありません。
そんな子宮筋腫ですが、原因は
- 免疫の低下
- 血行不良
だと言われています。
子宮筋腫はエストロゲンの影響で育っていくのですが、免疫がしっかりしていれば筋腫となることはありません。
免疫が低下しているため、筋腫としてとどまってしまうのです。
そして、血行不良も子宮筋腫の原因の1つです。
生理のときなどに、血液の塊が出たことはありませんか?
レバーのような血液の塊は、血行不良によって引き起こされるものです。
そして、子宮筋腫そのものも滞った血液が固まったものなんですよ。
血行が良ければきちんと血液が流れていきますから、子宮筋腫となることはないのです。
子宮筋腫は女性ホルモンの1つ「エストロゲン」によって成長していきます。
エストロゲンは閉経すると分泌量が一気に減少することから、閉経すると子宮筋腫も小さくなっていくと言われています。
子宮筋腫になぜ葉酸がおすすめ?
子宮筋腫ができる原因は「免疫の低下」と「血行不良」であるという話をしました。
つまり、この2つの原因を改善すれば、子宮筋腫はできにくくなるということです。
この2つを改善するためにおすすめなのが、葉酸というビタミンです。
葉酸はビタミンB群の1つで、妊娠中に必要不可欠な栄養素であるというイメージがありますよね。
葉酸は、核酸(DNAやRNA)を合成してタンパク質を作る働きがあります。
私たち人間は多くの細胞から作られていて、それは免疫細胞も例外ではありません。
葉酸は細胞分裂を促進し、新しい細胞を作ったり傷ついた細胞を修復する働きがあります。
この働きから、葉酸を摂ることで免疫細胞がスムーズに作られるようになり、子宮筋腫に打ち勝つことができるようになりますよ。
また、葉酸はビタミンB12とともに赤血球を作る、造血ビタミンとも呼ばれています。
血液が増えれば血液の流れが良くなり、血行が促進されます。
きちんと血液が流れていれば、血液が固まって子宮筋腫となることはありません。
子宮筋腫ができないようにするためはもちろんですが、すでにできてしまった子宮筋腫をこれ以上成長させないためにも葉酸を摂ることはおすすめです。
免疫細胞が作られれば、エストロゲンによって子宮筋腫が成長していくのを食い止めることができますから。
葉酸は赤ちゃんの先天性障害リスクを低下する働きもありますので、妊娠を計画しているのならぜひ摂取してください。
葉酸は子宮筋腫にも効果がありますが、妊娠力を高めるという効果もあるのです。
子宮筋腫があるから妊娠できないということは決してありませんので、葉酸を摂って妊娠に向けて動き出していきましょう。
すでに子宮筋腫のある人は、きちんと婦人科でこれからの治療について相談しておくこと、そして妊娠したい旨を伝えておくことが大切です。